天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
指輪の内側を見ると、私と天馬くんのイニシャルが掘られている。
「ちゃんと自分の金で買ったしね?まぁ友達価格にしてもらったけど」
嬉しくて熱いものがこみ上げてくる。
「本当にあり……がと……」
全然知らなかった。
いつの間に用意してくれてたんだろう。
天馬くんは泣きそうな私を正面から抱きしめてくれた。
「期間限定じゃなくて……永遠に俺の奥さんになって?」
私は天馬くんの胸の中で頷くことしかできない。
あー、絶対顔ぐちゃぐちゃだろうな、見られたくない……。
しかしそんな私の考えなど無視で、天馬くんは屈んで私の顔を見てきた。
「ちょっと……今見ないで」
「この瞬間のちひろを見たかった」
「顔やばいから」
「え?世界一可愛いけど」
天馬くん……甘すぎでしょ。
「見られたくないのに」
顔を隠そうとしたけどそれを阻止され、頬っぺた、口の順にキスされた。