天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
「ごめんねちひろ……お母さんがちゃんとフォローできればよかったんだけど。お義父さん、あんな風に言うこともあるけどちひろのこと考えてないわけじゃないんだよ?」
私の事なんて考えてないよ。
考えてたらあんなにハッキリと言わないでしょ。
「うん、わかってるよ。でも今日はもう行かないことにしたから」
「ちひろ!」
「ごめんね、今日だけは許して。お義父さんもいいって言ってくれたし」
心配そうに見つめてくるお母さんの目が嫌で、いつも逸らしてしまう。
幸せになるために再婚したのに、どうしてお母さんがこんな悲しい思いをしなきゃないんだろう。
どうして私は孤独を感じてしまうんだろう。
足早に玄関を出て、振り返って家を見上げた。
広すぎる家なのに居場所がないなんてね。