天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
地上への階段を上りながら、天馬くんに「ごめんね」と誤った。
「なんで?」
「……急に来ちゃったし、迷惑だったでしょ?」
「迷惑とかじゃなくて。この辺治安わりぃからだよ」
「え、昼間だし大丈夫だよ?」
「大丈夫じゃねーよ。ナンパとかも多いし」
それって心配してくれてるってこと……?
だから嫌そうな顔してたの?
心臓が変な音を立ててる。
「どうせ麻衣に強引に連れてこられたんだろ?」
「違うの、私も天馬くんが働いてるところ見たくて……」
すると私の目の前に来て、上から見下ろされた。
背が高いのに、一段上にいるから更に大きく見える。
「なに?俺に興味湧いてきた?」
「……婚約者のことは知っときたいし」
婚約者だからっていうのもあるけど……。