天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
Trrrrr……
その時バッグに入れてたスマホが鳴り出す。
「ごめん、電話……」
画面を見ると家からだった。
「はい」
『ちひろか?今どこにいる』
一瞬にして血の気が引いた。
義父の声を聞くだけでお腹が痛くなりそうだ。
「街です」
『また遊びまわってるのか……。まぁいい、そんなことより咲のブレスレット知らないか?急になくなったらしいんだが』
「ブレスレット?見てないですけど……」
電話越しに「お父さんやめて」って言ってる咲の声が聞こえる。
『本当か?咲の母親の形見で大事なものなんだ、古いが高価なものでな』
「そうなんですか……」
咲のお母さん……咲が小さい頃病死してしまった。
確かにいつも咲は左腕にブレスレットを付けている。
あのブレスレットのことだろうか。