天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
確かに咲の事を羨ましいと思う事もあった。
でも咲の大事な物を盗ろうだなんて思ったことはない。
『今回だけは見逃してやろう、だが次はないからな?その時はたとえ家族でも通報させてもらう』
胸の中がモヤモヤして呼吸をするのが苦しい。
どうしてここまで言われなきゃないんだろう。
そんなに義父は私の事が嫌いなんだろうか。
「本当に盗ってません!どうして私の事をそんなにっ」
『調子に乗るな』
「え?」
『いいか、赤の他人だったお前をこの家で育ていい暮らしをさせてやってるんだ、それがなかったらお前は今頃シングルマザーの母親と貧しい暮らしをしてるはずだ、それなのに恩を仇で返すような……』
「私は!貧しくてもいいんです」
『なんだと?』