天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜
「はーい、じゃあまた!」
あっさり電話を切り、笑顔で私にスマホを渡した。
「天馬くん、なんで……」
「なんでって。ちひろが辛そうだったから。いくら親父でも子供傷つけていいわけねーだろ」
話の内容なんて知らないはずなのに、どうして私の気持ちがわかるんだろう。
「……知ってるかもしれないけど本当の父親じゃないの。本当のお父さんは昔事故で死んじゃって……」
「うん」
「お母さんが再婚して私にも妹ができたんだ。その子のブレスレットがなくなったらしくて……それで私が盗ったんじゃないかって言われて」
私が話してる間、ずっと静かに聞いてくれている。
いつもと違くて調子が狂うけど……。
でもなんでかな、天馬くんには話しておきたくて。
「今バッグ見たらそのブレスレットが入っててね……私知らないのに、なんでか……」