泣きたがりの君に優しい歌をあげる


由真ちゃんがあんな事言うからちょっと意識しちゃうじゃん。


お昼休憩が終わった後、鳴海くんと席をくっつけたまま同じ教科書を見る。

相変わらずの柑橘系の香りは私を心地よい気分にさせてくれる。

そして心臓がドキドキと音を立てる。


(絶対に恋じゃない!だって鳴海くんだよ?っていうかまだ今日転校してきた人で、どんな人かもわかんないし…)


「うーん…」
「どうしたの?瀬野川さん」
「あ、声出てた?」
「うん」


横を振り向くと鳴海くんが私をじっと見ていた。
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