泣きたがりの君に優しい歌をあげる
ちくり ちくり
心臓が小さく痛む。
チラリと隣の鳴海くんを見る。
(ん?寝てる?)
隣をこっそり見ると鳴海くんは寝ていた。
(疲れているのかな?)
鳴海くんて不思議な人だよね。
まだ転校して2日目だけれど、静かなキャラのように見えて実は結構喋るし。
こうして堂々と寝ているし…
なんだかよくわかんないキャラだよね。
そして…良い香りがするんだよね…
(って、私は変態か!そればかり考えるとか!)
なんだか昨日から頭の中、鳴海くんの事でいっぱいだ。
(私には真夏くんがいるんだから!なんでこんなに鳴海くんの事でいっぱいになるの?!)
その時だった、ぼーっと鳴海くんの顔を見ながら考え事をしたいたら…
鳴海くんが閉じていた彼の目が開いた…
「おわっ!!」
「どうした?瀬野川?」
「あ、なんでもないです!」
思わず出た言葉に先生がびっくりする。
(恥ずかしいー!)
そんなことを思いながらふと隣を見ると…
「ばーか!」
鳴海くんが小さな声でそう言って笑った。