続・拗らせDKの偏った溺愛


「竜也ってば慌てちゃって。でもよかったね、美咲ちゃん。下僕から解放されたときは竜也の傍に居られなくなっちゃった、ってことで泣いてたけど。ね、綾乃ちゃん」


「そうそう。リュウくんのせいで美咲が泣いちゃったときは頭にきたけど、それも美咲がリュウくんの下僕じゃなくてかのじy」


後から聞いた話では、虎谷くんの後に続いて綾乃ちゃんが言いたかったのは


「あの涙も、美咲がリュウくんの下僕から彼女になるために必要だったことだと思えば許せちゃうかな」


というようなことだったそうです。

なのですが、綾乃ちゃんの言葉を途中で遮ってしまわれたのは他ならぬ竜也くんでした。


「だ~!しょーがねーだろ!あの時は貴紀がいろいろ言うから、ああするのが一番だと思ったんだよ!・・・それより美咲!」


「ひゃっ、ひゃい!?」


いつの間にか、ちょっとお怒りモードになっているような気が・・・。


「お前、貴紀が今言ったことほんとうか!?下僕から解放された後泣いたって?」


「は、はいっ」


泣いてしまった理由は下僕から解放されたことだけではありませんが・・・。

その前に、綾乃ちゃんに言われて想像しただけで泣いてしまったのです。

竜也くんの傍に下僕としての私ではなく、ほかの女の子が、それも彼女と呼ぶ女の子がいるということを想像して、です。

私以外の女の子に外では見せない竜也くんの無防備な姿を見せたり、その・・キ、キ、スとか、その、あの・・・。

よ、要はお仕置きのようなことをお仕置きじゃなくてもするかもしれない、と想像していたら、いつの間にか涙がこぼれてしまったのです。。。

ちょっぴり泣いてしまった時のことを思い出して恥ずかしくなっていたのですが、


「はぁ~、なんだそれ。じゃあ、たった今から下僕復活だ。それでいいだろ?」


と竜也くんに言われて思い出すのも強制終了です。

下僕復活!

これでまた竜也くんの傍に堂々といることができます!!


「は、はい!!」


大慌てで返事をしつつ喜ぶ私と、それをヤレヤレという若干の呆れが混じった顔で見ている竜也くん。


「「はぁ!!??」」


それなのに、私たち二人のやり取りを見ていた虎谷くんと綾乃ちゃんが声をそろえて同じ反応をされました。

なんと、驚愕の表情まで同じです。

なぜでしょう?なにを驚いていらっしゃるのでしょうか?

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