続・拗らせDKの偏った溺愛
そしてそのやりとりを逃さないのがクラスのみなさんのすごいところです。
「え~、竜也が乱戦に出たいって言ってる~~~」
「マジで!?無敵じゃない?」
「竜也さんが出てくれるなら優勝間違いなしです!」
「おい!誰と変わる!?やっぱり団長か!?」
あっという間に大騒ぎになってしまいました。
正直、私も竜也くんが乱戦に参加しているのを見たい気持ちがあるものですから・・・騒ぎを止めるのをためらってしまいます。
ただ、この流れと雰囲気は、体育祭の出場競技を決めたときと似ているので一抹の不安がよぎります。
あのときは、竜也くんがクラス対抗リレーという超花形競技にほんの少しだけ興味を示されたのですが、今と同じようにみなさんが大盛り上がりで竜也くんのリレー参加を期待されたのです。
その結果、竜也くんはリレーに参加するどころか出場競技を決めること自体を放棄された上に、学校から出て行ってしまって、しばらく登校すらされなかったのです。
どうしましょう・・・また竜也くんが帰ってしまうかもしれません。
内心あたふたと慌てていたのですが、どうすればいいのかわからないので、ただオロオロと事態を見ているしかできません。