続・拗らせDKの偏った溺愛
応援団長である野田くんが、意気揚々と学ランを脱ごうと金色のボタンに手をかけられました。
「ちょっと待て」
「竜也さん、どうかされましたか?」
学ランを脱ごうとしたのを止められた野田くんが不思議そうな顔をされました。
「俺、騎士じゃなくて、騎馬役がいい。それも正面」
普段から王様然とした振る舞いの竜也くんですから、誰もが騎馬上で猛然と鉢巻きを取り合う騎士役のイメージで話を進めていました。
当然、野田くんでなくともびっくり仰天です。
「え?えぇっ!?竜也さんが騎馬、ですか!!???」
心底共感できる野田くんのお返事でしたが、竜也くんは意に介せず。
そのまま他の団員の方に声をかけたかと思うと、交代を快諾された庄司くんに学ランを借りて身に纏われ始めました。
「え!?リュウくんは庄司と交代なの???」
「え、野田と交代じゃねーのかよ!?」
「どうなってんの!?」
「「なんでもいーけど、竜也くんの学ラン姿とか嬉し死ぬ・・・」」
「しゃ、写真写真!!」
我がクラスの応援席周辺はあっという間に大騒ぎになりました。
「すげー!!竜也さんが正面とかなんの罰ゲームだよ」
「他のクラス可哀想〜」
テンションも否応なしに盛り上がっていきます。