続・拗らせDKの偏った溺愛
たまらない気持ちになったり、イライラしたりハラハラしたり、もどかしくて悶々としたり。
今までの人生で感じたことのない目まぐるしさで、いろんな感情が次々に美咲によってもたらされて戸惑った。
同時に美咲がいると思うと、それまでたいして面白いと思ったことのない学校が不思議と楽しい場所に思えた。
それに、俺が何か言うたびにワクワク・ゾクゾクするような顔を見せる美咲は、いつの間にか誰にも渡したくない存在になっていた。
だから、親友の貴紀に
「美咲ちゃん、僕にくれない?好きになっちゃったかも」
って言われて、一度は親友の恋を応援してやろうと思った。
思ったのに、この先、美咲が貴紀に独占されるのかと思ったらどうしても許せなくて。
俺が思ったままを貴紀に言ったら
「それって美咲ちゃんを女の子として好きってこと?」
って聞かれた。
貴紀に聞かれて初めて気づいた。
あぁ、そうか。これが誰かを好きっていう気持ちなのか、って。
俺は美咲のことが好きだったのか、と自分で自分に納得した。
だから貴紀の質問には覚悟を決めて返事した。
「そうだ」
と。それは同時に親友と同じ女が好きってことになる。