続・拗らせDKの偏った溺愛


それなのに貴紀ときたら


「ならいいよ。僕諦めるよ」


なんて事も無げに言いやがった。

そんないい加減な気持ちで美咲を好きだと言っていたのかと思うと、頭に血が上りそうになったけど。

どうやら貴紀が”美咲を好き”と言ったり”僕にちょうだい”と言ったのは俺を煽るためだったらしい。

完全に貴紀に嵌められたと気づいた時には遅かった。

俺は全校生徒が参加している体育祭という場で。

クラスごとに分かれているはずの応援席にあり得ないくらい群がる大勢の生徒の前で。

”俺が好きなのは美咲”

という公開告白まがい、というか、公開告白をしたんだけど。

それだけではなく、そのあと、全校生徒や教師たちの注目するグラウンドのど真ん中で

”美咲は俺のものだから、誰も手を出すなよ!”

というようなことを言う羽目になった。


貴紀・・・マジであいつはこーいうことに関しては質が悪い。


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