続・拗らせDKの偏った溺愛
でも、体育祭当日、綾乃ちゃんに聞かれて。
虎谷くんに行動で示されて。
やっと気づきました。
竜也くんに下僕の任を解かれることがこんなにショックなのは、私が誰よりも彼の近くにいることを望んでいるから。
例えどんな形であれ、竜也くんの傍に居ることは、いつの間にか私にとって特別なことになっていたのです。
だからでしょうか?
あんなに避けたいお仕置きでさえ、竜也くんが私以外の女の子にするかもしれない、と考えただけで勝手に涙が出てきてしまったのです。
戸惑いつつも、やっと自分の気持ちに気づくことができました。
それと同時に下僕ではなくなった私が、どうすれば竜也くんの傍に居られるのか考えなくては、と思ったすぐ後でした。
”悪いけど、美咲だけは無理。あいつを独占するのは俺だから”
竜也くんがみなさんの前で虎谷くんに向かって堂々と言い放たれたのです。
そのあとはもう訳が分からなくなりそうな怒涛の展開でした。
後日の竜也くん曰く
”貴紀に嵌められた!”
とのことでしたが・・・。
竜也くんが私のことを
”好きだ”
と。
”俺のものだから手を出すな”
と。
そんな風に学校全体に響き渡る声でおっしゃられたのです。