青の先で、きみを待つ。
◇
それから数日が経って、あの不良たちは警察で取り調べを受けたと聞いた。保坂がどうなったかはわからないけれど、真実が明らかになることを私は祈っている。
「ってかお前……食い過ぎじゃね?」
昼休みの屋上。私はお弁当の他に学食のたぬきうどんとコロッケ。さらにデザートの冷凍みかんをぺろりと完食した。
「そう? だって食べないと体力つかないじゃん」
若干、蒼井が引いてるけど気にしない。
少しだけ自分に自信がつき、周りのことを気にしないようにしたら、まるで生まれ変わったみたいに心が軽くなった。
「つーか……どうなの?」
蒼井はいつもどおりパンを食べているけれど、私より全然食べていない。
「どうってなにが?」
「いや、だからあれだよ。あれ」
彼は言いづらそうに頬を掻いている。なので、私はさらりと言ってやった。
「私と蒼井ができてるって話?」
そう、あれからなぜか事件よりもそっちの噂のほうが大きくなりつつある。
考えてみれば、私が蒼井のことをみんなの前で擁護した挙げ句に、事件の放課後は一緒にいたなんて宣言をしたら、大体そんなふうに見られるだろうとは思っていた。
「教室でも視線は感じるけど、とくになにも聞いてこないよ。相手が蒼井だし、聞きにくいんじゃない? そっちのほうが楽だから助かってるけどね」
蒼井だってそんな噂ぐらいどうってことはないだろうし、私も不思議と気にならない。むしろ、前より堂々としてるくらいだ。