青の先で、きみを待つ。







次の日の朝。教室のドアを開けると、妙にクラスメイトたちが静まり返っていた。なにかを企んでるような笑い声も漏れていて、私はみんなの視線の先を追う。

そこは橋本さんの机であり、その上には白い菊の花が入れられた花瓶が置かれていた。

……なに、あれ。

こんなことをやろうと言い出すのは沙織しかいない。現に沙織は仲のいい人たちを集めて、ニヤニヤとほくそ笑んでいた。

あのアンケート以来、いじめも収束したように思えていたのに、なんで……。するとタイミング悪く橋本さんが登校してきた。

「あれ、なんで橋本が学校に来てんの? うちのクラスメイトひとり減ったって聞いたんですけど?」

沙織が腕組みをしながら煽っている。もしかしたら沙織はほとぼりが冷めるのを待っていただけなのかもしれない。

「帰れよ橋本」

「お前の席はもうないから!」

次々と飛んでくるヤジに、橋本さんは一歩も動けずにいた。



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