青の先で、きみを待つ。





放課後。激しくなる頭痛を理由に美保との遊びをまた断ってしまった。相変わらず止まない雨にもうんざりするし、なんと言ってもこの憂鬱な気分の原因はあいつだ。

――『お前、死んだんだよ』

元々、頭のおかしな人だと思ってたけれど、まさかここまでヤバいやつだとは思わなかった。

冗談やめてよと笑うはずが、あまりに蒼井の目が真剣だったから怖くなって、あのあと保健室を飛び出してしまった。

真に受けることはない。からかっているだけ。そう自分に言い聞かせているけれど、ずっとざわついている心がおさまらない。

……美保に相談すれば良かったかな。でもあんな虚言に振り回されたくない。

気持ちを切り替えるために頬を二回ほど叩く。今日お母さんは少しだけ遅くなるって言ってたし、それまで部屋でのんびりと……あれ?

スカートのポケットに手を入れてもスマホがない。もしかしてカバンの中かもしれないと、中身をひっくり返しても、どこにも見当たらなかった。

考えてみればずっとあいつの言葉が引っ掛かりすぎて、昼休みから今の今までスマホに触っていない。

どこで最後に触ったのか記憶を辿ってみると、それは保健室で着替えをした時だと気づいた。たしかスマホを近くにあった棚の上に置いた気がする……。

ま、待って。え、どうしよう……。


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