青の先で、きみを待つ。



「なにか悩みごとがあるならなんでも聞くから、ドアを早く開けなさい!」

濱田先生が懸命に私のことを呼んでいる。

………どうしよう。私のせいで大騒ぎになっている。

私が悩んでる間にもドアの隙間は徐々に広がっていき、先生の手がもうすぐ伸びてこようとしていた。

「くそ……っ」

蒼井の体が前のめりになり、ドアが開こうとした瞬間……。

「あかり!」

「紺野さん!」

美保と橋本さんの声がした。彼女たちも私のことを止めにきたんだと思いきや、なにやら先生たちと揉めているやり取りが響いてくる。

「こら、やめなさい! その(ほうき)をどこから持ってきたんだ!」

言い争う声に混ざって、箒を振り下ろしているような音がする。

なにが起きているのかわからないけど、蒼井がその隙にドアをまた押し返していた。


< 178 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop