青の先で、きみを待つ。
私が家に着いて間もなく外から雨の音が聞こえてきた。そしてガチャガチャっと慌ただしく鍵を開けてお母さんもパートから帰ってきた。
「もう今日は天気いいって言ってたから傘持っていかなくて。あかりは濡れなかった?」
「うん。ギリギリ。はいタオル」
「ありがとう。今日はお父さん遅くなるって。夕飯なにがいい?」
「うーん、ハンバーグかな」
「そう言うと思ってひき肉買ってきたの。今日特売日で安くていっぱい買い物しすぎちゃった」
お母さんは濡れた髪を拭きながら嬉しそうに買ってきたものをテーブルに並べていた。料理上手でお喋り好きでそんなお母さんとは高校の今も仲良しだ。
……そういえば今日英語の課題が出たんだっけ。
夕飯ができるまでには終わらせようと2階の自分の部屋へ。
真っ白なカーテンにピンクのベッドカバー。コルクボードには友達と撮った沢山の写真。球技大会に修学旅行。去年のクリスマス会の写真はまだ髪が長かった。
写真を見ながら思い出に浸っていると突然ズキンと頭が痛んだ。
ズキンズキンと脈を打つような痛み。だけどそれはすぐに消えた。
やっぱり風邪引いたのかな……。ちょっと体も重いような気がする。