青の先で、きみを待つ。
◇
翌日。昨夜はなかなか寝付けなかったこともあり、目が覚めたのは昼過ぎだった。
「あら、やっと起きたの?」
リビングに降りると、お母さんに笑われた。お母さんもまた土曜日でパートは休みだ。
「ちょっと寝過ぎちゃった……」
「ご飯は?」
「なんかお腹すいてないからいいや」
私はリビングのソファへと腰を下ろす。撮り溜めていた録画をチェックしながらも、あまり見る気にはなれない。
「……あ、そういえば濱田先生がよろしくって言ってたよ。卵の割り引き券がどうのって」
「そうなのよ。この前偶然会ってね。濱田先生って、本当に気さくでいい人よね!」
お母さんと濱田先生……同じこと言ってるし。
「さっきテレビでね、今の教師は生徒に関心がない人が多いって言ってたのよ。与えられた仕事以外はやりたくないから、揉め事にも見て見ないふりをするんですって! ひどいと思わない?」
「……そう、だね」
「でも濱田先生は違うから安心ね」
蒼井の話では、先生も現実世界から変わった人のひとりだ。
きっと本当の先生はいい先生ではなかったんだろうと思う。
でも、クラスの現状を変えるためには、担任の力は不可欠。だから私は意を決して、先生にいじめのことを相談した。
どういう対処をしてくれるのか、それは週明けにわかるだろう。