青の先で、きみを待つ。




けれど、そんな願いはすぐに消える。次の日の学校は朝から雰囲気が違った。騒がしいのはいつものことだけど、明らかに種類が違う。

『ウケる! これなに柄?』

『うちのばあちゃん、この柄の風呂敷持ってるし!』

女子たちが市川さんの机の周りに集まっていた。

どうやら、ひとりの男子が市川さんのランチケースの柄が変だと指摘したらしい。それに便乗して他の人たちもバカにしたことで、この騒ぎになっているようだ。

『あ、おはよう。あかり。なんかね、面白いことやってるよ』

まりえが腕組みをしながら、その様子を見ている。

市川さんのことをバカにしてるのは、まりえのことを神様みたいに慕っている女子たちだ。

きっと、彼女たちは市川さんのことをよく思っていないまりえのためにやっている。私には、そんなふうに見えていた。

市川さんはずっと恥ずかしそうにして、今にも泣きそうな顔をしている。

それを面白いものと表現したまりえに驚きながらも、濱田先生がやってきたことで、みんなは嘘のように市川さんから離れていた。


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