君は、幸せな人魚姫になった
すると、帆高の手が優しくみずきに包まれる。みずきは絶望的な状況だというのに、みずきは優しく微笑んでいた。
「そんな顔をしないで。これは仕方のないことだから。毎日が重なれば、会えなくなっちゃう人もいるでしょ?」
「でも……」
明日を生きられる帆高が泣き、明日を生きられるかわからないみずきが笑っている。泣き続ける帆高はみずきに抱き締められ、嗚咽を漏らしていた。
それから、みずきは前よりも定期的に病院に通わなくてはならなくなり、いつ発作が起きるかわからないからと、帆高も気を遣っていた。
デートも遠出をせず、どちらかの家などでしていたのだが、ある日みずきに帆高はせがまれる。
「どうしても行きたいの!」
それは、みずきの好きなアーティストのライブに行きたいというものだった。チケットも二枚あるらしく、みずきは帆高に「お願い」と言う。
「ライブ、今まで行きたかったけどチケットが取れなくて、やっと取ることができたの。お願い、行かせて」
「そんな顔をしないで。これは仕方のないことだから。毎日が重なれば、会えなくなっちゃう人もいるでしょ?」
「でも……」
明日を生きられる帆高が泣き、明日を生きられるかわからないみずきが笑っている。泣き続ける帆高はみずきに抱き締められ、嗚咽を漏らしていた。
それから、みずきは前よりも定期的に病院に通わなくてはならなくなり、いつ発作が起きるかわからないからと、帆高も気を遣っていた。
デートも遠出をせず、どちらかの家などでしていたのだが、ある日みずきに帆高はせがまれる。
「どうしても行きたいの!」
それは、みずきの好きなアーティストのライブに行きたいというものだった。チケットも二枚あるらしく、みずきは帆高に「お願い」と言う。
「ライブ、今まで行きたかったけどチケットが取れなくて、やっと取ることができたの。お願い、行かせて」