君は、幸せな人魚姫になった
もしも、ライブ会場で発作を起こしたらどうする?そんな不安は帆高の中に巡る。だが、命が残りわずかしかないと言っても過言ではないみずきに強く言うことはできなかった。
「俺も一緒に行くから」
「うん!そう言うと思って、二枚頼んでおいて正解だったね」
無邪気に笑うみずきを、帆高はそっと抱き寄せる。あと何度、こうしていられるのだろうか。それを考えるだけで帆高の中には恐怖が募る。いつからこんなに臆病になったんだ、と不思議になってしまった。
そしてライブ当日、ライブが始まるのは夕方からだったため、帆高とみずきが会場に着いた頃には、空は淡い薄紫に染まり、夕方が夜に変わろうとする美しい姿を見せていた。
「すっごく楽しみ!」
推し色の法被を羽織り、ペンライトを片手にはしゃぐみずきに帆高は微笑み、「あんまりはしゃぐと疲れるぞ」と言う。
会場に入ってしばらくすると、ライトが消えていき、アーティストたちが歌いながら姿を見せる。客席から歓声と拍手が響く。その中には、悲鳴のような声もあった。
「俺も一緒に行くから」
「うん!そう言うと思って、二枚頼んでおいて正解だったね」
無邪気に笑うみずきを、帆高はそっと抱き寄せる。あと何度、こうしていられるのだろうか。それを考えるだけで帆高の中には恐怖が募る。いつからこんなに臆病になったんだ、と不思議になってしまった。
そしてライブ当日、ライブが始まるのは夕方からだったため、帆高とみずきが会場に着いた頃には、空は淡い薄紫に染まり、夕方が夜に変わろうとする美しい姿を見せていた。
「すっごく楽しみ!」
推し色の法被を羽織り、ペンライトを片手にはしゃぐみずきに帆高は微笑み、「あんまりはしゃぐと疲れるぞ」と言う。
会場に入ってしばらくすると、ライトが消えていき、アーティストたちが歌いながら姿を見せる。客席から歓声と拍手が響く。その中には、悲鳴のような声もあった。