君は、幸せな人魚姫になった

みずきはそうどこか切なさを含んだ笑顔で言った後、案を出すために手を挙げる。みずきの出した案は、みんなで好きなお菓子を持ち寄ってお菓子パーティーをするというものだった。

色々な案の中から先生たちが話し合った結果、みずきの案が採用され、帆高はお菓子をあまり食べたことがないため、とりあえずポテトチップスを用意して当日を迎える。

「せっかくだから、手作りしてみたよ〜」

そう言い、一人ひとりにクッキーをみずきは渡していた。帆高にももちろん、アイシングされた可愛らしいクッキーが渡される。

「どうぞ！」

「あ、ありがとう」

みずきの笑顔が、帆高の心に何故か焼き付いて離れなかった。



それから、帆高は自然とみずきのことを目で追ってしまうようになった。みずきを見れば見るほど、彼女の人柄の良さや長所が見えてくる。

「××ちゃん、顔色すごく悪いよ！委員会は私が代わりに行くから、今日はもう帰った方がいいよ！」

「先生、校門の近くにある木の枝が伸び放題で、通学の邪魔なんです。あれじゃあ、いつ誰が怪我をするかわかりません。何とかなりませんか？」