離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
一途というより重い愛


 新しい年を迎えてからも忙しさは変わらなかった。

 ようやく落ち着く頃にはもう一月の半ばを過ぎ、二月の気配が見え始めている。

 まだ学び途中の若女将ながらも繁忙期をなんとか乗り越えたのは大きな自信になった。

「この調子で今年も頑張っていこうと思います」

「ちょっと頑張りすぎじゃない? あんまり無理しなくていいのよ」

 女将の仕事から私の教育、そして楓花の世話まで徹底的にサポートしてくれる義母が言う。

「でもお義母さんに比べたらまだ」

「あと二十年くらいしたら嫌でもこうなっちゃうわ。だから急がなくても大丈夫」

< 143 / 235 >

この作品をシェア

pagetop