離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 いくつかある休憩所の一室だが、楓花が来てからはこの部屋が一番の人気スポットになっている。

「楓花ちゃーん、べろべろばー」

「全然笑わないなぁ。若旦那がやるとあんなに笑うのに」

 従業員たちと楓香が遊んでいるのを見守っていたベビーシッターが私の訪れに気づく。

「お帰りなさい、橘さん」

「いつもありがとうございます」

 義母のはからいで午後は休みなのだと伝えると、ベビーシッターは私を見つけて喜ぶ楓花に話しかける。

「楓花ちゃん、午後はママが一緒にいてくれるって。よかったねえ」

 楓花は意味がわかったかのように手足を懸命に動かして喜んだ。

「やっぱりママの存在が強いんだ」

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