離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 苦笑した智秋が脱ぎ捨てたばかりのシャツを手に取り、再び身につける。

 ほっとしたような残念なような気持ちになりながら、楓花のいるベビーベッドへ向かおうとした。

 その前に智秋が私を止める。

「いいよ、俺が寝かしつける」

「ううん、私は午後休みだったし」

「それはそれ、これはこれ。俺は咲良も甘やかしたいんだ」

 智秋は私が立ち上がる前に楓花を抱き上げる。

 そして泣きじゃくる楓花の背中をとんとんとなでながら私に向かって屈んだ。

「次の機会までおあずけだな」

 そう言って唇で頬に触れた智秋がそのまま耳もとでささやく。

「そのときは朝まで抱くから覚悟しておくように」

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