離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
あの夜をもう一度
寒さもすっかりやわらぎ、道端の桜がふくらんだつぼみを開き始めた。
四月になり、今月で生後半年を迎える楓花もずいぶんと大きくなっている。
お喋りが好きらしく、よく自分を構ってくれる人に向かって『あー』『うー』と話しかけるようになっていた。
「んまー」
「どうしたの、ふーちゃん」
楓花が自分を抱く智秋の服を引っ張りながら声を上げる。
「ぴかぴかのホテルに招待されてテンションが上がってるんじゃないか?」