離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 再びグラスを交換しながら、彼の肩に寄りかかった。

「じゃあ二度と会いたくないって私が言ったら、楓花にも会わずに諦めてたの?」

「そうだな。それ以上嫌われたくないから諦めるしかないよ」

「本当に?」

 そう簡単に諦めるような人には思えないが、と不思議に感じて尋ねると、智秋はふっと楽しそうに笑った。

「それ。俺が咲良に惚れたひと言ね」

「え?」

「人と会話するとき、なにを言えばどう答えが返ってくるか道を作りながら話してる。ある程度、相手の反応を誘導してると言ってもいい。だからそこに沿わない返答って珍しかったんだよ。変な人だなって興味が湧いた」

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