離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「きれいにまとめようとしてるけど、全然意味がわからないよ」

「酔ったかな?」

「ノンアルコールなのに?」

 頬杖をついた智秋の右手が伸びて、私の髪を愛おしげに触った。

 いつもは楓花のおもちゃにされているのに、彼が触れるだけで大切なもののように感じる。

「好きだよ、咲良」

「やっぱり酔ってる?」

「なんだよ、告白したのに」

 顔のよこにかかった髪を絡め取られて耳にかけられる。

 智秋の指がかすめただけで肩が跳ねた。

「咲良は? 言ってくれないのか?」

「ここじゃ恥ずかしいよ」

「じゃあ、あとで言ってもらおう」

 後頭部をそっと捉えた手が私を智秋の方へ導く。

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