離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 その直後、身体を横抱きにされて小さく悲鳴を上げる。

 彼は私の足に力が入らなくなっているととっくに気づいていたのだろう。

「楓花と同じくらい軽いな」

「……そんなわけ」

「俺の愛の方がよっぽど重いからな」

 まだ冗談を言う余裕があるのかと思ったが、ベッドへ連れていかれすぐに押し倒される。

 煩わしそうに自身の服を脱ぎ捨てた智秋は、私の手を押さえつけるように手のひらを重ねて首筋を甘噛みした。

「ん」

 びく、と身体が跳ねる。

 その反応は彼を喜ばせたのか、繰り返しもどかしい感触が肌に刻まれた。

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