離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 自分は服を脱いだくせに私の服は脱がしてくれない。中途半端に乱したまま、露わになった素肌を甘やかして愛情を染み込ませる。

 智秋は私の身体中に自分の熱を与えようとしているらしかった。

 肩や腕、お腹や腰にまで丁寧についばまれて身じろぎをする。

「咲良。逃げないで」

 無意識に身体を逃がそうとする私へ、智秋は何度もささやいた。

 恥ずかしい場所まで侵していく彼のぬくもりからは、きっともう逃げられない。

「身体、変わっちゃってない?」

 へその近くを指でくすぐられて思わず尋ねる。

「楓花を産んだから前とは違うと思うの……」

 体重だって増えたし、体型も変わった。

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