離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
番外編:バレンタイン
「これ、去年の分と今年の分ね」
ぽん、と手にのせられた箱を見て俺は一瞬反応に困ってしまった。
かわいらしいラッピングはそれぞれ違っており、片方は赤い箱に緑のリボンが、もう片方は青い箱に紺色のリボンが付いている。
今日が二月十四日だと考えると、渡されたものはチョコレートだとしか思えない。
「……俺に?」
心臓が早鐘を打つ。咲良から生まれて初めてもらったチョコレートだ。一度目の結婚は契約関係だったのもあってもらえなかった。
「俺に……って、智秋以外の誰に渡すの? 楓花はまだ食べられないよ」
「いや、まあ……うん、それはわかってる。よくわかってる」