離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
二度目の結婚は無期限で
もう十一月になろうかという秋の頃。
私は清潔感のある病院の個室で目を覚ました。
「どうしてこうなるまで俺に連絡してくれなかったんだ」
枕もとには二月に離婚した元夫の橘智秋がいる。
京都にあるたちばなから離れないはずの彼が、なぜ東京都内の病院にいるのだろう。
「なにしてるの……?」
「なにしてるの? なるほど、その返しは予想してなかった」
「……怒ってる?」
「呆れてる。君が妊娠したことを教えてくれなかったから」
ぼんやりしながら、意識を失う前、自分の身になにが起きたかを振り返る。
智秋と他人になってからしばらくして、私は彼の子供を妊娠した。