レイン。新章
黒い夜。
微細なガラスの破片が、きらきら煌めくような、星明かりの下。
石造りの建物の隙間で、兄妹はうずくまっていた。
「お兄ちゃん」
レインは、メルの痩せた小さな体を包み込むようにしてかき抱いた。
「なんだ」
「あたしたち、もう、どれくらいこうしているの?あの村を追われてから」
「分からない。ただ、冬は2度越した」
もうすぐ、3度めの冬が訪れる。
「大丈夫だ、お前はなにも心配することはないんだ。おれが、かならずお前を、幸せにしてやるから……」
レインは、そう言って妹を抱きよせ、彼女の細いうなじに顔をうずめた。
微細なガラスの破片が、きらきら煌めくような、星明かりの下。
石造りの建物の隙間で、兄妹はうずくまっていた。
「お兄ちゃん」
レインは、メルの痩せた小さな体を包み込むようにしてかき抱いた。
「なんだ」
「あたしたち、もう、どれくらいこうしているの?あの村を追われてから」
「分からない。ただ、冬は2度越した」
もうすぐ、3度めの冬が訪れる。
「大丈夫だ、お前はなにも心配することはないんだ。おれが、かならずお前を、幸せにしてやるから……」
レインは、そう言って妹を抱きよせ、彼女の細いうなじに顔をうずめた。