吉良くんの弱愛なところ。
知ってる、吉良くんが素直じゃないってこと。
まあ、一度くらいは素直になってもらわないと癪だと思う。だからまだなんにも言わないけどね。
……みんな、羨ましいでしょ?
わたし、吉良くんと仲良くなったよ。
わたしとポジション変わってくれって?
やだやだ、そんなのぜったい、譲れない。
ほかの女の子と仲良くしている吉良くんなんて、見たくないもん。
だからね、だれにも吉良くんの魅力なんて教えてあげない。
わたしのまだ知らない彼だって、見つけてみせる。
「吉良くん!! クレープ! 食べたいっ」
急に立ちあがって、高らかに宣言した。
ちなみに膝を伸ばしたせいで鋭い痛みに襲われ、「ぐあっ……」と可愛くない悲鳴をあげたわたしを、吉良くんは「あほ」と悪態をつきながら支えてくれた。