吉良くんの弱愛なところ。
吉良くんと仲良く(?)なっていることは、だれにも言っていない。
だれの目もないところで話しかけてるの。
わたし、わるい女でしょ。
女の嫉妬とか僻みとか、そういうの、面倒だもの。
なるべく好奇の目は避けたい。
けれど、吉良くんを知りたい。
よって、ひそかに近づくという結果に至っているのだ。
琳果にも、申し訳ないけど話してない。
そもそもそこまで大事なことでもないので、言わなくても問題ないかな、と思ってる。
「えー、また?
カナが来なかったら、ほんとにつまんないんだって」
「ううーーーん……、そう言ってもらえるのは非常にありがたいのですが……」
「……カナ、わたしに何か隠してる?」
ギクリ。
「え〜なんにもないよ? ただ最近、体調あんまり良くなくてね……?」
「……そう? まあ、そういうことなら無理強いはしないけど」