吉良くんの弱愛なところ。
あははは、と、笑ってとりあえず誤魔化す。
いや、わかってる。まったく誤魔化せてない。
勘のいい琳果に、わたしが吉良くんの追っかけ(断じてストーカーではない)をしていることがバレるのは時間の問題なのかもしれない。
「よっ、カナちゃん! 今日も来ないのー?」
不穏な空気にならないよう、不自然な笑みを続けて琳果からの疑いの目を交わしていると。
がやがやとやって来たのは5、6人の男の子たち。
にぎやかなタイプで、何度も遊びに行っている人たちだ。
そのうちのひとりに尋ねられて、またもや嘘をつくハメになる。
「えーーっとね、ちょーっとだけ体調が良くなくて……」
目が泳ぐ。許してほしい。
いままで軽くオーケーして遊んでたツケがこんなところで回ってくるとは。