吉良くんの弱愛なところ。
話しかけて来てくれた男の子は、そんなことには気づかなかったらしい。ありがたい。
心配そうに声をかけてくれて、逆に心苦しい。
「えーだいじょうぶ?
いやさ、俺、てっきりカナちゃん彼氏できたと思って焦ったわー」
それな、とうなずくほかの男の子たち。
……好いてくれてるのはとても嬉しいんだけど。
ううっ、はやくこの話題を終わらせたい……!!
「やめてよー、いないってばー」
ふるふる首を横に振って、否定する。
わたし、残念ながら、たぶんまわりから軽い女だと思われてるもの。
そんなんだから、きっと彼氏なんて、できないよ。
「カナちゃんが誰かのものになったら俺ら男はみんな泣くわ……」
「あはは……」