吉良くんの弱愛なところ。



目をふよふよさせて、何かちがう話題ないかな、と探してみる。


けれど、効果はナシ。

視線を前に戻せば、なぜかわたしを取り囲む人数が増えていた。





「カナ、あんた来なきゃ、合コンの人が集まんないの!」

「そーそー! お願いだから参加して〜っ!」




今度は女の子たちだ。

これまた合コンもほいほいついて行ってたツケが回ってきた。



どうしよう、そろそろ、うそ笑いのせいで無理矢理あげている頰が痛い。


うーーん……、どうしても、今日は吉良くんデーにしたいのだ。

助けてもらったのにお礼をしないなんて、わたしの良心が許さない。





「と、とりあえーーず!! 今日はごめん!!
だけど明日は参加する! 明後日も遊ぶ! だからとりあえずみんな座ろう!?」



そろそろ予鈴なるよ、と慌てて壁にかかる時計を指差すと、「約束だからね!」「明後日カナちゃん来るって!」「これで男漁りだ!」などなどと各々よろこんでくれた。……最後のひとつは少し気になったけれど。









< 30 / 75 >

この作品をシェア

pagetop