吉良くんの弱愛なところ。


もちろん、吉良くんはこんなことで怒ったりしない。



色っぽい細めの二重で、わたしをちらりと見た。


「なに」



塩対応、無愛想。


顔をのぞきこんでも、照れもしないし、もはやなんの反応も示さない。

声はイケボ。ちょっと低音なところがまたかっこいい。


そのくせ、女の子と絡むのを極端に避けたがる。




そんなところが、わたし、枢木(くるるぎ)かなでが、吉良くんに興味がわく理由だったりする。




「今日、わたしたち日直だよ」





そんなの、口実だけど。

でも、いちおう真実。誘いを断ったのはそれが原因。



いつもならさっさと終わらせてあとから合流するけれど、なんたって、今日は吉良くんとなんだもん。


こんな絶好のチャンス、ないよね?




吉良くんのことを、もっと知るチャンス。






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