吉良くんの弱愛なところ。
「……もらってくれるの?」
わたしの言葉に、逆に吉良くんがびっくりしてる。
虚を突かれたように目をパチパチして、あたりまえのようにうなずいた。
「わざわざ買ってくれたんでしょ」
「うん、でも、吉良くんって女の子からのプレゼントは『いらない』って一蹴してるイメージだもん……」
「それは、受け取ることで思わせぶりになったらいけないから」
「だったらわたし、勘違いしちゃうよ」
吉良くんをじっと見据えて言った。
彼になら思わせぶり、されてもいいけど。
でも、そんなの言われたら期待しちゃう。
わたしは特別なんじゃないかって。
直球なわたしの言葉に、吉良くんが戸惑っているのがわかる。
片眉をあげて、なにかを考えている様子にわたしもなにも言わなかった。