吉良くんの弱愛なところ。



ちょっぴり嫌味のつもりで直球に聞く。


わたしのことを気にかけて話しにきてくれるのは、もちろんわかってる。

2日に一度くらいの頻度で、こうやって昼休みに来てくれるから。



でも、わたしの気持ちも、わかってほしいの。




「そんなに、構ってくれなくていいよ?」




本気で言ってるよ。

それが伝わるように、ちゃんと目を見て葛葉に言った。


言葉を探しているのか、葛葉はなにも口にしない。


わたしを数秒じっと見つめていた彼は、少し表情を崩して口を開いた。



「俺が話したいだけだから、あんまりなにも言うな」



困ったように笑う葛葉。

なんで葛葉が、そんな顔をするのかわからない。



わたしのほうが、困ってるのに。





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