吉良くんの弱愛なところ。
「あー……、そうだっけ」
これまたわたし好みのイケボで呟き、もう片方のイヤホンを外して立ち上がり、黒板を消しはじめた。
「そうそう、じゃ、わたしは日誌書くねー」
日誌って、ほんと面倒だよね。
授業の内容とかいちいち覚えてないし、学級の状態とか備考とか。
そんなの、書くことないしなあーと思いながら、『日常でした^^』ってひとこと大きく書いて、ぱたんとそれを閉じた。
「……そんなんでいいの」
いつのまにか黒板を綺麗に消し終えて、わたしのとなりに立っていた吉良くん。
わたしのあまりの適当さに若干引いている吉良くんに、にこっとうなずいた。