カクレンボ
「え?ああ、ちょっと疲れたみたい」

「ゆっくり休みなよ?雪も風邪引いちゃうよ」

 本当は、『そうじゃないでしょ』って言わなくちゃいけない。わかってるから。本音じゃないってわかってるから。

「早く飲んで早く寝よ」

 わたしは腰を椅子に降ろし、ココアを一口飲んだ。

 雪は塀にもたれかかっていた体を起こして、わたしの隣に腰を下ろした。

 わたしは、心に残ったモヤを残したまま年を越しそうだ。
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