カクレンボ

微睡み少女は夢で落ちる


「何買えばいいんだっけ」

 桜がかごを持ってとぼけた顔をした。

「お蕎麦と、海老の天ぷらと、何だっけ…」

 わたしも忘れてしまって足が止まる。

「わたし、雪に確認してみる」

 わたしはかばんからスマホを取り出して雪に電話した。

「お蕎麦と海老の天ぷらとあと、好きなデザート買ってきてって」

「デザート?ヤッター!さっさと行くわよ華」

 華は器用に人混みをかき分けて、進んでく。そして暗記していたようにお蕎麦と、海老の天ぷらをかごにいれた。

「さーて、デザート選ぶぞー!」

 早くしてたわけは、デザートが売り切れないためだったのかな。

「ちょ、ちょっとまって。休憩」

 こんなに息が上がったのは久しぶり。
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