柳の木の下で貴方が言葉を拾ってくれた


「ごめんなさい。全て話します」


私がドアの鍵を開けようとすると、突然キスをされる。


「…ン、んっ…」


私の口に彼の舌が割り込むように入り、自由を与えないように口内を侵食する。息をすることさえ許されない。

唇が離されると酸素を求めるために息が荒くなっていた。


彼はどこかを見てニヤリを笑った後、彼は私から鍵を奪い、ドアを開けて私の腕をとり、無理矢理というように中に押し込まれる。


彼の名前は荒川蓮二。

そう、昨日先輩達が言っていた白骸の総長。



そして、私は彼から逃れらことが出来ない。

家の中に入ったと同時に先程と同じキスをうける。正直、立っていられない。

それでも、彼には逆らえず。


「座るな」

「…は、ぁ…んッ…」

必死になって立とうとしている。

再び唇が離れると、私をベットへと移動させた。横になった私に、覆いかぶさる彼。私が少しずつ息を整えている間に、彼は、蓮二は私に質問をする。


「お前、俺の事忘れてたわけじゃないよな?」

「忘れたことは、1度もありません」

「じゃあ、なんで風翼と一緒にいた?」


やっぱり、情報は回っていた。

なんで?という言葉を聞かずとも納得する。あれだけ騒がれてたらそりゃあ、時間なんて関係なくすぐに情報が回るよね。


「関わるつもりはなかったんです。それに、私達のことは何も話していません」


私は何故そうなったのか事細かく話した。蓮二に嘘なんてつけない。

私の話を聞くと「そうか」と納得した後に、「お仕置きだ」と私の体を確かめるように蓮二が抱く。

彼にとって私は道具ではないのかもしれない。鎖で繋がれた奴隷…に近いような気がする。彼から、蓮二から離れることは許されないし、私が蓮二から離れようとすることはない。




だって、私は………。



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