柳の木の下で貴方が言葉を拾ってくれた
「蓮二、発表って?」
私は疑問に思ったことを聞いた。
「俺の女だってことだ」
なるほど、これで完全に私の自由は奪われてしまうということ。でも、これは軽率な自分の行動のせい。
「那智、メンバー集めておけ」
「分かった」
那智さんはどこかに電話をしてる。私は黙って蓮二に連れられて横に座る。
数分経った後に那智さんから「集まった」と言われると、蓮二は立ち上がり「行くぞ」と声をかけられ私も一緒にドアを出た。
ドアを開けるとカラフルな人達が沢山いた。
メンバーを集めろというのは白骸全員を集めろということだろう。半年の間、この場所に来ていなかったが、改めてよく見るとこんなにも人がいることに驚く。
蓮二、那智さん、海さんと私は見下ろす形でメンバーを見た。
「もう、分かってると思うが、コイツは俺の女だ」
コイツと言われたのは私のこと。蓮二は私に目を向けて名乗れと無言で言う。それを察して私は一呼吸して声を出す。
「水無怜です。よろしくお願いします」
頭を下げようとすると蓮二に止められた。それはする必要がないと、私が蓮二の彼女であるために下に出る必要はないと言いたげだ。
私はメンバーの人に申し訳と思いながら頭を下げることを止めた。
「怜は風翼に目をつけられている」
先程もそうだが、風翼の名前が出てくると異様な空気に包まれる。
敵対しているが為か、はたまた、別の理由か。
「怜を風翼に近づけるな。約束、守れるな」
「「もちろんっス」」
しっかりと真っ直ぐな瞳、蓮二はこの人達に慕われている。そう見て取れた。
蓮二はそれだけ言うとドアへと消えた。那智さんは下の人達に解散を告げると下の人達は散らばり、私達もドアへと入る。