柳の木の下で貴方が言葉を拾ってくれた
「怜?」
「え?」
「え?じゃないよ。何考え込んでるの?」
「あ、いや、別に何も」
「ふーん。あ、今日暇?放課後、パンケーキ食べにいかない?」
「ごめん、今日はバイトなんだ。明日は休みだから」
「じゃ、明日の放課後、絶対行くからね!」
「うん、分かった」
七絃と約束を交わすとチャイムが鳴る。話をしていたクラスメイト達が席へとつく。
ここは月咲女学園。
通称ツキ女と呼ばれており、偏差値はそこそこの所謂普通の女子高。校則は他と比べて少し緩いくらいだから、髪の毛を染めたりピアスを開ける以外は問題にはならない。
私と七絃は途中まで一緒に帰り、別れた後家に帰ってバイトの準備をする。
制服を脱いで着替えるのは面倒臭いからそのまま着替えを持って行って再び家を出た。
バイト先は家から15分ほど離れたコンビニ。私はバイト先に着くと着替える。持ってきたTシャツに黒のスキニーパンツを履いてコンビニの制服を上から着る。
時間になると店に顔を出し挨拶をする。
私が入る夕方から夜までは人の出入りがあり忙しかったりもするが、暇な時もある。
私は商品の補充やレジをしていると、「ちわッス」と言ってスタッフルームから人が現れた。
「おはようございます」
「はよ」
私と同じバイト生で1個上の先輩の東雲皇雅さん。
「ふぁーわ」
「ちょっと、東雲先輩。欠伸しないでください」
「相変わらず真面目だな」
「それだけが取り柄なんで」
私はレジの近くで色々としていると東雲先輩も商品補充の為に売り場に出た。