柳の木の下で貴方が言葉を拾ってくれた
このまま連れ去られるとまずいことになると思った矢先、男達が固まった。
「おい、そこで何してる」
凛と澄んだ声の主を見ると、そこには風翼の総長である七瀬氷牙さんの姿があった。
「お前に関係ねーだろ!」
「その手を離せ」
「はっ?この女を知ってて言うのか?コイツは荒川の女なんだぜ?コイツを使えば荒川を潰せるんだ、邪魔するなよ。お前達風翼も白骸とやり合うのに、コイツ使おうとしてんだろ!俺達が使ったって問題ねーよな」
私はどこに行こうが道具としての扱いであるとこに、自嘲的な笑みしか浮かばない。そういう運命なんだと確信せざるおえない。
私は下げていた顔を七瀬さんに向けると、七瀬さんの表情は怒りだった。
「俺達とテメェ等低脳と一緒にするんじゃねぇ。今俺は気分が悪い、とっとと失せろ」
威圧感がたっぷりある七瀬さんの言葉に男達も私も体が強ばった。
今の七瀬さんに対して危険を感じたのか、男達は私の腕を離し消えていった。私も帰らなければと思い、助けてもらったお礼をする。
「あの、助けて頂きありがとう…」
「何故ここにいる」
言葉を言い終わる前に七瀬さんが私に問掛ける。
ここにいる理由を聞かれて素直に1人になりたかったからとは、何故か言いにくい。
黙っていると七瀬さんは続けた。